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長押(なげし)

長押とは鴨居上部に取り付く化粧材のことで、

一般的には内法(うちのり)長押をさします。

 

他には、柱最下部の地覆長押、窓下の腰長押、

天井と内法材との間の壁に取り付ける蟻壁長押、

天井廻り縁の壁の下に取り付ける天井長押などがあります。

 

成(見付け寸法)は柱幅の8/10、

柱からの出(胸の出)は1/7を標準とするそうです。

今回、客殿は柱幅120mmに対して、長押の成は102mm(8.5/10)

本堂は柱幅210mmに対して、長押の成は180mm(8.57/10)

断面は台形で、「長押挽き」と呼ばれます。

 

古くは軸組を引き締める構造材としての役割があったそうですが、

近年は装飾材としての役割の方が大きくなっています。

 

本堂の長押は無垢材で、裏面には鴨居にビスで取り付けるための

座彫り加工がされています。

 

また、柱や束には長押彫りを施し、

端部は雛留め、入隅はメチ入れ相欠ぎ留めにするなど、

大工さんの技術が光る、とても繊細な作業です。

↑雛留め

 

↑メチ入れ相欠ぎ留め

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