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2.102021
焼杉の魅力
家の外壁を何にするか問題、とても悩ましい所です。
塗り壁、ガルバリウム鋼板、タイル、吹き付け、サイディングなどたくさんの選択肢があり、「いったい何が一番いいの?」とご質問を受けることはよくあります。
皆さんメンテナンスのかからない外壁材をご希望れますが、残念ながら現在の所、メンテナンスの必要ない外壁材は存在しません。
中でも耐用年数の長いといわれているガルバリウム鋼板ですが、メンテナンスフリーではなく、とても金額が高い材料です。
そこで、なるべくメンテナンスもかからず、耐用年数も長く、金額もおさえられる、バランスの取れた外壁材として「焼き杉」が候補に上がります。
焼杉とは杉板の表面を焼いた板の事です。
焼いて表面は炭のようですが、防腐塗装をかけてある物もあり、触ると手が汚れる事もありません。
この焼き杉を使うメリットは、なんといっても耐久性が高いことです。
焼き具合や板の厚みによっては50年以上も維持できると聞きます。
しかも他の外壁材に比べて安く非常にコストパフォーマンスにすぐれた外壁材だと言えます。
見た目もサイディングには出せない、「味わい深い風合い・佇まい」に仕上がるところも大きな魅力です。
時間がたってくると自然素材ならではの経年変化も楽しむことができ、「5年たったな、、10年たったな、、」と住みながら愛着の沸く住まいになるのではないかと思います。
現在新築中の「コンパクトだから高性能な家」にも焼き杉を採用頂きました。
どこか素朴であり、渋くてかっこいい。新築でもどこか懐かしいし、味わい深い、そんな外観は素敵だと思います。
植栽達との相性も良く、植物と建物、お互いが引き立て合います。
昔からずっと日本の建築物に使われてきて、おそらくこの先ずっとなくならない材料だというのもとても大事なところ!
台風などでものが当たって外壁の一部がこわれてしまった、、なんて時にも部分的な張替えが比較的簡単にできます。
しかも、サイディングのように廃盤がありません。
部分修繕が必要な時に、その材料が廃盤になっていては、修繕位分だけ色柄が変わったり、余分な所まで張り替える必要が出てきます。
ずっと長く住んでもらいたいので、ずっと長く経年変化しながらも使い続けていける材料を選んで頂きたいと思っています。
この先もずっと同じものが存在する、というのは大きな安心材料です。
更に、ガルバリウム鋼板にはない魅力を一つご紹介。
それは熱を伝えにくい材料であるということです。
夏の暑い日差しの下に置かれた鉄板と木の板を手で触ったと想像してください。
木の板には触れますが鉄板は暑くて触れませんよね?
材料には熱を伝えやすいものと伝えにくいものがあります。
木の板は熱を伝えにくい性質があります。
そんな熱伝導率の低い木を外壁に使うことで、断熱効果も期待できるという面もあります。
昨年お引渡しさせて頂いたお宅もこの焼き杉の外壁を採用頂きました。
建物全体に貼ってもかっこいいですが、部分的に使っても良いアクセントになります。
下屋が大きく張り出す下のお宅は1階部分を焼き板張りとしました。
また、玄関部分のみ焼き板でおしゃれに玄関先を引き締めることもできます。
何かを模写した偽物の材料が多く出回っていますが、ずっと一緒に時を重ねる自宅です、どうか本物の材料を選択してほしいと思っています。
「焼杉」、古くからずっと長く使われ続けてきたのには理由があります。。。
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